ステージが違う人に共感できない苦悩

久しぶりにブログを開きました。ほりこです。この半年間、ずっと人間関係に悩まされているのと、その悩みに一つの出口を与えてくれた考え方と、最近読んだ小説の話…今日はそれについて書こうと思います。

昨年9月末とつい先週の週末、私は友人2人と縁を切りました。理由は「目線が合わなくなったから」。それだけです。「そんな理由で?」と思われる方もいるでしょうが、目線が合わなくなると、こちらの考え方が相手に届かないし、相手の考え方に理解を示したり共感するのが難しくなり、会話が成り立たなくなりました。

いずれも友人は「相手を尊重せず、自分のことしか考えていない」「周りから与えられるのは当たり前だけど、自分は相手に何もしたくない」「周りのアドバイスや忠告を聞かない、理解できない」という、思いやりのないことをし続けていました。おそらくそれは彼女自身が悪いというわけではなく、彼女たちがこれまで「人間関係で挫折したことがない」からだと私は思っています。

この話と関連してくるのが、私が先日読み終えた『ナイルパーチの女子会』という柚木麻子さんの小説です。

 

ナイルパーチの女子会 (文春文庫)

ナイルパーチの女子会 (文春文庫)

 

 

キャッチーなタイトルとは裏腹に、女性同士の友情について深く鋭く描いた作品なのですが、この物語に出てくる2人の主人公はいずれも30歳で「女友達がいない」という共通点があります。裕福な家庭で大切に育てられた栄利子と、問題を抱えた家庭で育った翔子。2人とも自分の心地よい環境に身を置き、他人とぶつかりそうになると、その現実から目を背けたまま30歳になったようでした。そのせいか主人公たちは物語の終盤までずっと「自分の都合しか考えていない」「自分が上手くいかないのは環境や相手のせいだ」と周りを責め続けます。

前々からこのブログでも言い続けていますが、環境や他人のせいにして、「それさえなんとかなれば私は幸せになれるはず」と期待することはとても愚かなことです。どんなに恵まれない環境にいようと、大人になって自分でお金を稼いで、自分の意思で判断することができれば前に進むことはできます。前に進めば道は開けていくし、想像していた未来とは違ってもちょっとずつ環境は変化していきます。自分の人生を豊かにするのも貧しくするのも自分自身です。

私が「他人や周りはたいていの場合こちらの期待通りには動いてくれない」ということに気付いたのが7年前、「自分の境遇を恨んでも現実は変わらないなら自分が変わるしかない」というのに気付いたのが4年前、「自分が相手に求めるなら、まずは自分が相手に与えればいい」「類は友を呼ぶし、自分を取り巻く人達は自分自身を写す鏡」と気付いたのが昨年で、今は「誰かに変わってもらいたいなら自分自身がまず変わるのが手っ取り早いし、どう頑張っても他人は変えられない」「たいていのことは自分の選択が引き起こした結果でしかないし、それは自分の責任。逆に言えば、今の自分の決断や選択で未来はどうにでもなる」という価値観です。だから他人や周りに原因があると考える人とは話が噛み合わないのです。

「もしかしたら私が不寛容なせいで他責の価値観を受け入れられないのかもしれない」と悩み始めた頃、私を救ってくれたブログがありました。

【人生のステージ(魂レベル)】にある4つの段階と高い人低い人の特徴 – 人生とはもらいもの

このブログでいうところの〈貢献のステージ〉に私はいますが、彼女たちは〈欲望のステージ〉にいたんだと思います。

たとえば、10階建てのマンションがあるとして、1階の住人と、3階の住人と、7階の住人と、10階の住人が見ている景色はそれぞれ全然違うはず。1階の住人には10階にいる人が見ている景色は見えないから、10階の住人がいくら景色の美しさを語っても1階の人には理解できないのです。だから「そんなのないよ。だって私には見えてないから」と言ってしまい、それが見える場所があることに気付けません。「人は今見えている景色しか信じられない」ということなのかもしれません。

とはいえ、私も彼女たちと同じ段階を通ってきたはず。過去には、わがままで自分のことしか考えられない時代もありました。なのに何故彼女たちには共感できなくなってしまったのか…

それは、私が〈欲望のステージ〉にいたのが7年前だからです。皆さんは7年前の自分が何を考えて、友人たちにどのように振る舞っていたか思い出せますか?印象的な出来事は思い出せるにせよ、普通は7年も前の気持ちを鮮明に思い出すことは難しいはずです。

私は、共感できないことが悪いことだとは思いません。20代後半に差し掛かるとライフステージが変わって価値観が合わなくなるのはよくあることです。そして価値観が合わないのも違う人間同士なので当たり前ですし、異なる価値観と上手く付き合えれば会話はできます。ただ、魂のステージが違うと、自分とは見えている景色が違うため、どうしても共感したり、理解し合えないのです。

自分がステップアップした証拠だとは理解しつつも、昔からの友人と合わなくなりつつあることに気持ちがついていきません…アラサーって難しいですね…

また気が向いたら更新します。その時まで。