ADHDが子どもを産んだらどうなるんだろう?

1ヶ月ぶりの更新です。ほりこです。この仕事をしていると1ヶ月が気付いたら過ぎてたなんてことは当たり前なんですけど、「最近ブログ書いてないなぁ」と思ったら1ヶ月経ってて本当びっくりしました…。気付けばもう10月終わるし…時間が過ぎるのが早すぎます...。

さて、今日は趣味垢の方でたまたま発見した連載コラムを読んで、そこから感じたことを書いていきたいと思います。女性の方は必見ですよ。

今回、ご紹介するのはこちらのコラムです。Wotopi「産むことにメリットって、本当にあるんですか?」https://wotopi.jp/archives/cat_summary/umidoki

非常にセンシティブな話題について、愚直に突っ込んで書かれている連載でした。筆者の文章が非常に生々しくて鋭く、とても興味深い内容でした。うっかり2駅乗り過ごして遅刻してしまうくらいには過集中を発揮し、夢中になって読んでいました。

連載の具体的な内容や趣旨は、こちらのURLからご自身でご確認いただくとして、ADHDの私がとても引っかかった内容が、連載 第12回の「空気に流されて、うっかり産むな。トコトン戦略的に産んだ方がいい理由」https://wotopi.jp/archives/53647 でした。

どうやら女性の身体というのは、妊娠期間〜産後しばらくの間、ストラテラコンサータを飲んでいない時のADHDのような状態に陥るようなのです。

筆者である鈴木氏は、このコラムを拝見している限り、おそらく発達障害ではないことが窺えます。とてもわかりやすく知的な文章を書かれる方ですから、おそらくワーキングママとしても非常に優れた方なんだと思います。そんな彼女は、妊娠期間〜産後半年の間の異変について、こう仰っているのです。

 

・酒が飲めない。
(ま、これが最大の不自由でしょう)
レッドブルが飲めない。
(あれ、カフェイン入ってます)
・頭の回転が鈍くなりすぎて、麻雀ができない。
(できなくはないと思うけど、今よりさらに負ける回数は増えます)
・集中力がなさすぎて契約書が読めない。
・論理的構成力が低下してプレゼン用のパワポが作れない。
・抽象的思考力も低下してスプレッドシートでミスりまくる。
・眠すぎて企画会議に集中できない。
・誰と誰が仲悪くて……みたいな複雑な人間関係図を管理できなくなる。

と、なります。

要は、知的活動が著しく制限されるんです。仕事にならないんです。個人差はあると思いますが、少なくとも私のまわりのワーママ編集者のあいだでは、次に書くことは、妊娠中のあるあるです。(Wotopi「空気に流されて、うっかり産むな。トコトン戦略的に産んだ方がいい理由」より引用)

 

お酒やレッドブルや麻雀のくだりはさておき、それ以降の記述はADHDの私からすれば「その状態、コンサータ飲んでない時の私やん!」となるわけです。同じADHDの方であれば「それな」となっていらっしゃるのではないでしょうか。その直後、私は気付いたのです。妊娠期間中、なんなら妊娠準備期間からコンサータが飲めなくなるということに。

お恥ずかしながら、私はこのコラムを読んで初めて「妊娠期間中〜産後しばらくの間、女性の身体はADHDのような状態に陥る」ということを知りました。妊娠期間中や産後しばらくは服薬してはいけないということは知っていたけれど、妊娠中は健常者でもADHDのようになるということは考えたこともなかったのです。「コンサータ飲めなくなるのは不安だなぁ」とか「つわりに耐えながら仕事なんてできるのかな?」とかならぼんやり考えたことはありますが、妊娠中の身体の変化に関しては疎く、このコラムを読んだ時「コンサータも飲めないし、つわりにも耐えなきゃいけないのに、妊娠したらさらにADHDみたいな症状出てくるの?!そんなの絶対仕事出来なくない?!」という激しい不安に襲われました。

私のブログを読んでくださっている方はご存知かと思いますが、私はADHDだからといってキャリアを積むことや結婚や出産、育児を諦めるつもりはありません。どんなに叩きのめされても、ひと通り落ち込んだらまた立ち上がって1ミリでも這い進みたい諦めが悪いタイプです。仕事も結婚も妊娠も出産も育児も、全部諦めなくていいように、自分らしく何にも諦めない人生を送れるように頑張ろうと日々マイペースにやっております。

そもそも、仕事柄、妊娠初期の不安定な時期に夜遅くまで働いたり、力仕事をやったりはできないとも思ってはいるんですが、それ以前の問題として、妊娠すると服薬ができなくなる上に、ホルモンバランスの都合上、さらに判断能力が低下するとなると何もできなくなるんじゃないか?と不安になります。

もちろん妊娠中のことだけではなく、出産後も。自分の管理すら苦手であるADHDの私が会話もままならない新生児を育てることができるんでしょうか?世のパートで働くお母さんやワーキングママは子育てをしながら仕事も頑張っているけれど、私には到底そんなハードなマルチタスクできないと思ってしまうんですよね。

そういう事実がわかりきっているからか「発達障害者は結婚して子どもを持つべきではない」とも言われますが、それは障害者に対する人権侵害でしかないと思うし、もっと言えば「障害がある人を排除しなきゃ子育てできない社会ってどうなのよ?」という話だと思います。それくらい健常者の人にとっても子育てが難しい社会だと思うし、健常者に難しいなら障害者にはもっと難しい社会だと思うのです。

ここからは私事ばかりになりますが、私は来年の秋くらいに現在お付き合いしている彼と結婚しようと考えています。結婚式などはもっと先になりそうですが、同棲し婚姻届を出すのは来年の予定です。自分自身の結婚を目前にして、結婚後は仕事をどうしようか、将来子どもを授かったらどうしようか、など将来についてより現実的に考える時間が増えました。その中で、やはり、毎度毎度ADHDであることが私にとって一つの負荷であることは間違いありません。みんなそうでしょうけど、「どうすればもっと上手くやれるだろう?」「ADHDだからといって今のままではダメだ、もっとやり方があるはずだ」と毎日そんなことを考えています。

「自立はしたいけど、何事も自分の力だけでやっていけるほどのキャパシティはない」「他人様の優しさに甘えて、世間様の白い目に耐えながら生きていくしかない」「障害者にとって生きづらい世の中だからこそ無理は禁物」頭の中でずっとこんなことが渦巻いていて、前に進めなくなってきている自分がいます。この歳になって初めて、発達障害を抱え、女性としてキャリアを積み、プライベートを充実させることが如何に難しい社会なのかということ、そしてこんなに生きづらい環境にあっても自分の人生には言い訳ができないのだということを目の当たりにして、最近は少し前に進みづらくなりました。

今後、もっと障害者にとって優しい社会になりますように。女性がもっと我慢しなくていい社会になりますように。人と違うってだけで生きづらくて、女性というだけでキャリアを断念しなくてもよくて、頑張りすぎなくてもやっていける社会になりますように。そう願うばかりです。

長くなりましたが、今日はこれにて失礼致します。